今年の13作品目 古本が続いていますが、この本は妻から「これ、面白いから読んでみたら?」とまわって来た本です。
貫井さんの作品は以前にも何冊か読んでいるが、一番最近読んだのは2019年に読んだ『被害者は誰?』で、奇しくも妻から「これ面白いよ」とまわってきた本でした(笑)
それはさておき、本書の話に戻しましょう。 私にとっては久しぶりに面白い本に出会いました。
貫井さんの作品らしく?登場人物が多くて場面もコロコロと変わっていき、登場人物の繋がりはなかなか見えてこないのですが、話自体は読みやすいのでどんどん先へ進んでいき、約600ページのやや厚めの本ではあった割に短期間で読み終えちゃったな。
少しネタバレになりますが、街路樹が倒れる事故が起きて、小さな子どもが亡くなってしまう。(その事故が起きるのは350ページを過ぎてからなので、それまでに様々な布石と言える描写がある)
事故は色々な要因?が複雑に絡んでいて発生したもので、子どもを亡くした父親が事故の真相を暴いていくのだが、とある理由から樹木診断をしなかった(出来なかった)職人以外は自分勝手で一切謝りもしない。
さて、これは一体どうやって物語の終わりに持っていくのだろう?と疑問に思っていたら、その父親も・・・なるほどねぇ~上手いこと繋がっていくんだ。(最初に出てきたあの描写はすっかり忘れていたわ)
聖人君子なんていないだろうが、人間として最低限のモラル、マナーは守らなければならないということですね。
最後に絵葉書を送ってきた女性は誰なんだろう? 犬の糞を片付けなくても平然としていた爺さんの奥さん? それとも、伐採反対運動をしていたおばさんの娘? 他に誰かまともそうなの人いたっけなぁ
それにしても、この話の繋がりを一言で言えば「風が吹けば桶屋が儲かる」って感じなんだろうか? タイトルの「乱反射」はなるほどって言えますね。