Rider Hide の No Guts, No Glory

マイペースな人生を目指し、バイク,写真,自転車,小説などが好きで、BMW R1200GS、Vespa LX150ie、CARRERA NITRO SL、Tern Surge Pro乗りのOver還暦ライダーです。 写真展には「 Hide.Yamamoto 」のネームで出展していることが多いです

知念 実希人(著)『十字架のカルテ』(文春文庫)読了

今年の10作品目 9作品目からちょっと時間が空いてしまったな。 なぜ、時間が空いたのか?というと全く違うジャンルの本を読み始めてはいたんですが・・・なかなか没入できずに遅々としてページが進まず暫し放置してました。 時折、ページを開いたがこのままでは読み切れないと判断して本作品に乗り換えしたところ、スムーズに読み終えました(笑)

さて、この作品は先に読み終えた『祈りのカルテ』と同時にブックオフで購入した古本です。 

ネタバレにならない程度に記せば、殺人や傷害致死などを犯した者に対する精神鑑定がテーマで鑑定医を目指す新人医師の弓削 凛が主人公。 

その凛は高校生の時に精神病を患った女性に親友を殺されてしまったことで精神鑑定医になることを志した経緯があり、それが第5話へつながっていく。

客観的なデータをもって証明できない中で診断を下す精神鑑定でその診断結果が起訴・不起訴の大きな判断材料となるが「精神疾患を患っていたから罪は問えない」と言われても被害者家族にとっては「ハイ。そうですか」と簡単に納得できない大きな問題だ。

『祈りの・・・』と違ってテーマとしては重く、精神障害に対する世間の偏見など、多くの問題提起もあって今までの知念さんの作品の中でもかなり考えさせられるものでしたが鑑定の面談によって詐病を見破ったり、刑事が気づかない犯行理由を見破ったりなどミステリー要素もあって読みやすかったのはさすがですね。