今年の29作品目 未読本がなくなったが書店まで行く時間がないから近くの図書館へ行って、3.11福島原発事故後の状況を背景にしているこの本が目に入ったので手に取った。
著者の松崎さんは元文科省の技官で実体験をもとにしているということなんだが、次の予定があったので他の本を探すのも面倒だし、あまりにも難しい内容だったら、途中で読むのをやめちゃうかも知れないが、図書館本なのでそれでもいいや・・・と軽く考えて借りることにした。
読み始めると専門書のような難解なことはなく、ノンフィクションに近い小説でテンポよく進み読みやすかった。 実際には政治家、官僚、そして地元住民の思いなどが絡んでここに書ききれないほど大変だったんだと思うが。
もちろん、放射能と放射線の違い、放射能の強さベクレルと被曝線量シーベルトの違い、外部被爆と内部被爆の違い、ヨウ素にセシウムにストロンチウム、X線にガンマ線などなど、一度聞いたくらいでは人に説明できるほど正しく理解できないし、すぐに忘れちゃう(^^;
放射線は目に見えないし、匂うわけでもないから厄介だ。 一度に高線量被爆すれば大変なことになるだろうが、低線量被爆であれば癌などの影響が出てくるまでは時間がかかるだろうし、それも本当に被爆で発症したのか、他の要因(ニコチンなど)がもとで発症したのかは明確に区別できないと思うし。
主人公の大志田が言っている「As Low As Reasonably Achievable」の放射線防護における「合理的に達成可能な限り低く被ばくを抑える」という考えに基づいて、他のリスク(今回の事象であれば、避難生活によるリスクや屋内避難生活での運動不足のリスクなど)も含めて現実的に考えるという方でいいと私は思うが、それは私が人生の第四コーナーに差し掛かって(既に回ったか?)徐々にゴールに近づいている辺りにいるからなのか?、それとも遠く離れたところに住んでいて直接の被爆リスクが少ないからなのか?
ただ、15年たった今でも帰宅困難区域があることや除染作業で生じた大量の除去土壌等の最終処分方法が決まっていないことなどを忘れちゃいけないよね。 廃炉作業も課題は多そうだし。
それなのに膨大なエネルギー(電力)や水が必要な大規模データセンターを新たに作って行くというのは本当に人間が生きていくために重要なんだろうか? 自らが真綿で首を絞めて行っているような気がする。 あの原子力を全部止めて、電力不足となったことは忘れちゃったのか、喉元過ぎれば・・・ってことですか。