今年の28作品目。 この作品で何とか昨年と同じ作品数に追いついたが、年内に残された通勤電車の時間でさらに2作品の読破はどう考えても無理だよなぁ〜? 年賀状も本日投函したので、明日以降は家に帰ってから時間があるはずなので、家でネットなんか見ておらずに読書の時間に当てればいいんだけど(^^;
さて、そんなことよりも本書の話にしましょう。 先日、偶然見つけて読み終えた知念さんの『黒猫の小夜曲』の前作に当たる作品です。
『黒猫の・・・』が面白かったし、『黒猫の・・・』の中に登場していた犬になった死神“レオ”が、人間界でどんな活躍をしたのか、是非とも読んでみたいと思っていたものです。
前半は『黒猫の・・・』よりも呆気なく進み、余命短い患者の未練が簡単に分かりすぎじゃない?って気がしたが、後半から終盤はどうなっていくのか、ハラハラしながらページが進みました。
『黒猫の・・・』の主人公?「クロ」が猫になって人間界に現れる布石もあるが、この2作品の順序を逆に読んでも、全く苦にならなかった。
最後にエピローグの一部を引用させていただくが・・・
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きっと、この国は豊かになりすぎたのだ。
・・・・・(中 略)・・・・・
人間誰もがいつかは迎える『死』を特別なものと思い込んでしまった。『死』を不浄なもののように扱い、日常から出来るだけ隔離し始めた。
・・・・・(中 略)・・・・・・
『死』を意識せず、ただ漫然と与えられた時間を消費続けてきた者達は、終わりが近づいてきたとき、自分の人生が有限だったことに初めて気づき、無為に過ごしてきた自らの人生を激しく後悔する。 そこに『未練』が生まれるのだ。
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ひぃ〜重いな。グサッと来た。 決して、死を不浄なものとは思っているつもりはないが、漫然と生きているだろ?と言われれば、否定できないかも(笑)
これじゃ、“ボーっと生きてんじゃね〜よ!” って、チコちゃんに叱られるな (^^;
自分に残された時間はどれだけあるかは全く分からないが、未練が生まれないよう、力一杯生きていこう。と今更ながらレオに教わってしまった次第です。
確かに“レオ”も“クロ”も死神じゃなくて、天使だよね。