今年の22作品目 この本も神戸の元町にあった「昔ながらの古本屋さん」に入った時にサブタイトルの「あなたのご遺言、代行いたします」というのが気になって先に記録に残した『猫は引越しで顔あらう』と一緒に購入したもので、響野夏菜さんの作品を読むのも初めてです。
さて、本書ですが、藤川家の長男である「藤川 四寿雄」が営む「遺言代行業」を四寿雄をはじめとした個性豊かな6人の異母兄妹で力を合わせて?奇妙かつ難題である遺言を見事に代行していくのですが、読み始めは頭の中が混乱しそうだった。 なぜならば6人兄妹の名前が・・・
長男:四寿雄
次男:五武
三男:六郎
長女:七重
四男:八重
五男:九重
なぜ、長男の名前が“四”から始まっているんだ? 普通は違うだろ・・・って思って読み進めると作品中に直接登場してこないが、イケメン写真家かつ詩人らしいがちょっと(相当?)変わり者であるらしい父親の名前が「藤川 三理」とのこと。
書いてはないが、父が自分の名前に入っている“三”の次から順番で命名したってことだろうな(笑)
6人兄妹だったが、序盤でとある遺言から父親「三理」の隠し子で末っ子となる少女「十遠」がいたことが判明し、十遠を入れた7人で暮らしながら遺言代行を遂行していくことになるのだが、唯一の同姓である七重はそんなに簡単に十遠を受け入れられず悩む。その理由は・・・なるほどねぇ。
おっと、ネタバレになるので理由は書きません。読んでみて下さい (^^; さて、七重は十遠を受け入れられるのか・・・
基本はコメディ系だと思いますが、バラバラそうでありながらも理解し合っている兄妹の絆を描いたほんわかした内容でした。
テンポは良いが、その分、そんな簡単に謎めいた遺言が解決するかぁ〜?ってところもありますが、その点はコメディだからと割り切るべきか (^^;