Rider Hide の No Guts, No Glory

マイペースな人生を目指し、バイク,写真,自転車,小説などが好きで、BMW R1200GS、Vespa LX150ie、CARRERA NITRO SL、Tern Surge Pro乗りのOver還暦ライダーです。 写真展には「 Hide.Yamamoto 」のネームで出展していることが多いです

北 康利(著)『胆斗の人 太田垣 士郎 黒四(クロヨン)で龍になった男』(文藝春秋)読了

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 今年の2作品目。 これは先日購入した本で、仕事から帰って夕食後に少しずつ読んでいたら、もっと日数が要っただろうが、今週の中頃に北陸(もちろん、黒部川へも)出張のお伴として持参し、電車の中で読みだしたら、眠くもならずにページが進んでいって、自宅で読んだのはほんの僅かだった(笑)
 文庫本じゃないので、出張に持って行くか悩んだが、結果としては持って行って正解だったか。

 北さんの作品を読むのは初めてだったかな?と思ったが、調べたら10年近く前に『白洲次郎 占領を背負った男』を読んでいた。 「白洲次郎・・・」の作品もどんどんページ進んだ記憶がある。 やっぱり、よく大河ドラマで扱われる戦国時代や幕末の話よりも、近代日本の激動期の方が私にはあってるのかも知れない。

 さて、本書に話を戻そう。黒四(クロヨン)を知っている人はそれなりにいると思う(もし、知らなくても写真などを見れば、あぁこれのことね。って言うだろう)が、「太田垣 士郎」という人物を知っている人は、今の日本人でどれくらいいるだろう。

 本書に多くの偉人が出てくるが、きっと、“経営の神様”と呼ばれる「松下 幸之助」の方が知られているだろうし、現在の阪急グループを作った「小林 一三」も知っている人は、それなりに多いかもしれない。 白洲次郎は? “電力の鬼”と呼ばれた「松永 安左エ門」はどうだろう? 今となっては、その業界関係者しか知らないか? 
 もちろん、本を探せば多いんだが、そう言えば、「松下 幸之助」は言うまでもなく、「白洲 次郎」、「小林 一三」、「松永 安左エ門」も以前、TVドラマでやっていたが、「太田垣 士郎」のドラマは・・・?
 映画「黒部の太陽」で・・・って言われても、主役じゃないしね。 もっとも、主役になりたい人ではないんだろうが。

 私も一応、業界関係者だった?ので、太田垣さんが現在の阪急電鉄社長から関西電力の初代社長として来られたことは知っていたものの、阪急の社長になるまでの足跡はほとんど知らなかった。
 知っていたのは、城崎温泉が故郷であることくらいか(^^; それもコウノトリチャレンジライドなどで城崎温泉へ何度か行くようになってからなので、まだ、つい最近のことか。 敬意を払って、来年行ったときには久しぶりにロープウェイに乗ってみようかな(笑)

 関電社長になってからの話は、残されている名言『経営者が十割の自信を持って・・・そんなの仕事のうちに入らない・・・』など、知っているところはいくつかあったが、これほど先見性があって、そして関西のためのみならず日本の復興のためにブレない信念を持った凄い経営者だったんだ。と改めて感動した。
 常に現場を重視して『執着心を捨て、不動心を持て!』、『怒らず焦らず恐れず』か。私には無理かな。一度、禅寺にこもって修行してみるか(笑)

 もし、初代関電社長が違う人になっていたら、どうなっていたのか・・・。それは、神のみぞ知る世界だから止めておこう。 それと、近年、政治家も財界も本書に出てくるほどの人物は・・・って話も止めておこう。

 話がちょっと変わりますが、「小林 一三」の言葉も良いものが載ってますね。『下足番を命じられたら日本一の下足番になってみよ。誰もその男を・・・』とか『百歩先の見えるものは・・・、五十歩先の見えるものは・・・。十歩先の見えるものが・・・で、現在を見えぬものは落伍者である』
 う〜む、せめて3歩くらい先を見ていきたいものだ。 そうしないと、すっ転ぶかも知れないし(笑)
(途中の言葉は・・・で消してますので、気になったら読んでみて下さい (^^ゞ )

 もっと色々と書きたいことはあるが、長くなってしまうので、個人的に関わりの多かった「丸山ダム」や「殿山ダム」の話も出てきたことも嬉しかった(もっとも、黒部ダムの話には必要だよね)ということで終わろうか。
 
P.S. 久しぶりに『黒部の太陽』、『高熱隧道』を本棚から持ってきて読んでみたくなってしまった。