小学館のSNSでこの本を知って、読んでみたいと思い速攻で購入(^^;
これは近藤 史恵さんの「サクリファイスシリーズ」と違って、小説ではなく、2014年6月、岩手県の八幡平で実際に開催された全日本選手権を作者の佐藤さんが出場した選手を取材をして、当日の選手の心理や体調などを詳細に追ったノンフィクション。
ロードレースはチームプレーなので、優勝を狙う「エース」とそのエースの力を終盤まで温存させるための「アシスト」そして、今回の題名でもある「逃げ屋」(と言っても、アシストでもある?)が、チーム毎にどのような作戦を立てて、実際のレース中の状況展開に合わせて臨機応変に対応していくかが重要なんでしょうね。とは言っても、体調は作戦通り行かないし、レース中に無線を使った連絡はできないから難しいだろうな。
レース中に選手がどう考えながら走っているかが少し分かったし、辛そうな芝居をすることもあるとは、駆け引きも重要なんですね。
悪天候によって、予定よりも距離は短くなったが、当初予定通りであれば、このレースの結果はまた違ったものになっていたんだろう。
それにしても、約220kmを5時間40分程で走り切るってのは、自転車選手の力は信じられないくらいに凄いわ。
逃げ集団もメインの集団もライバルのチームであっても先頭を交代しながら走るってのは、ロードレースならではの紳士協定の一つですね。 ほかのスポーツじゃなかなか思い当たらない。こうしたところも好きだな。
本書は2015年に『エスケープ 2014年全日本選手権ロードレース』として刊行されたものを改題、加筆されたとのことですが、タイトルは『逃げ』の方が断然良いですね。
個人的には映画化かドラマ化しても見応えがあると思うんだが、無理かなぁ〜 (^^;