今年の23作品目 荻原さんの作品を読むのは何作品目だろう?それなりに多く読んでいる方だと思う。
これまでに直木賞候補に挙がった作品が何作かあったようですが、受賞されていなかったんですね。 ということで直木賞受賞作が文庫本になっていたので購入。
なんと予想外の短編集でしたか。 てっきり「海の見える理髪店」というタイトルの一作品か、全てがこの理髪店に関係している連作ものだと思ってました(^^;
6つの短編が全て家族の“愛”(という一言で片づけてはダメかも知れんが)を描いています。 シリアスなもの、ユーモアがあるもの、ミステリアスなもの、メルヘンチックなものなどで色々と楽しめた。
この中で特に良かったなと感じたのは表題作の「海の見える理髪店」はもちろんのこと「遠くから来た手紙」と「成人式」だな。
そのほか「いつか来た道」は荻原さんの名作「明日の記憶」を思い出すところもありちょっと辛いな。 誰もが高齢になれば認知症になる恐れはある。「いつか来た道」ではなく、それは「いつか行く道」なってしまうだろうか?