Rider Hide の No Guts, No Glory

マイペースな人生を目指し、バイク,写真,自転車,小説などが好きで、BMW R1200GS、Vespa LX150ie、CARRERA NITRO SL、Tern Surge Pro乗りのOver還暦ライダーです。 写真展には「 Hide.Yamamoto 」のネームで出展していることが多いです

太田 愛(著)『幻夏』読了

f:id:Rider_Hide:20180702203639j:plain 今年になってから13作品目。 半年で13作品か。まぁ、昨年と似たようなペースだ。

 先日読んだ太田さんの『犯罪者』が長編であったものの、どんどん引き込まれたので、続編とも言える『幻夏』を書店で探して購入した。

 この本にも「犯罪者」と同様に、書店員さんの宣伝文が一杯書いてあるカバーが付いていた。

 前作の『犯罪者』は大企業の卑怯な“隠蔽”で、この『幻夏』は“冤罪”がテーマになっていた。

 今回も相馬、鑓水、修司の3人組が事件を解決していくもので、刑事であった相馬は交通課へ異動させられたままだが、鑓水は興信所を立ち上げ、修司は勤めていた建設会社が倒産して、鑓水の怪しい?興信所の調査員として働いていることになっていた。


 前作同様に話の展開には無駄が無くて引き込まれたが、水沢香苗が無名の極小興信所である鑓水を選んだ理由は終盤で分かったが、それをどうやって見つけ出せたのか、それと、水沢尚が消えてからどんな流れでホームレスの老人と暮すようになったかなど、ちょっと疑問点があったのは残念かな。

 何度か出てくる刑事裁判の原則を示す法格言として『十人の真犯人を逃すとも、一人の無辜を罰することなかれ』と言うのがあるようですが、実際は理想論だけなんですかねぇ〜
 刑事も検察も判事も、本書に書かれた通りとは思わない(思いたくない)が、その傾向はゼロじゃ無いんだろうな。 う〜む、疑われたが最後か? あぁ〜怖 (^^;

 最後は尚が生きていて良かった。しかしながら、前作の犯罪者もそうだったが、本書も本当の悪者は、結局は温々と生きていくのか・・・腹立たしいものだ。

 
 さぁ、次は第三作目となる『天井の葦』を買わねば・・・と思いながら、別の2冊を購入してあるので、また後日だな (^^;