Rider Hide の No Guts, No Glory

マイペースな人生を目指し、バイク,写真,自転車,小説などが好きで、BMW R1200GS、Vespa LX150ie、CARRERA NITRO SL、Tern Surge Pro乗りのOver還暦ライダーです。 写真展には「 Hide.Yamamoto 」のネームで出展していることが多いです

湊 かなえ(著) 『物語のおわり』読了

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 今年になって8作品目の読了。先々週読み終えていたが、色々やることがあって、先送りになっていた。  

 湊さんの本は「告白」、「少女」、「境遇」を読んでいますが、なんと言っても、一番強く印象に残っているのは『告白』かな。
 だって・・・「少女」と「境遇」は記憶があやふやだ (^^;

 この本はジャンルが違っていてちょっとビックリ。 それでも、好きだな、こういう感じの本。 きっと、これは湊さんの本としては「告白」の次に記憶に残ると思う。

 ネタバレにならぬ程度に・・・ 一見、短編集のように区切られているが、話は繋がっている。
 深い山間の盆地にある小さな町のパン屋で生まれ育った少女が書いた一つの物語『空の彼方へ』が、舞鶴から小樽へ向かうフェリーの中で、作者ではない別の少女から「病気で悩みを抱えた女性」の手に渡り、その後、北海道を舞台にして、「プロカメラマンになることをあきらめた男」、「夢見ていた作家ではなく、TV番組の製作会社に内定をもらいランドナーでサイクリングする女子大生」、「娘の進路に悩む中年ライダー」、「42歳のキャリアウーマン」へと物語が手渡されていく。


 「空の彼方へ」はかなり前に書かれたものであるとともに、完結していない物語であるが、自分たちの悩みと重ね合わせながら、ある意味背中を押されて、自分なりのそのエンディングを作りあげていくことで、自分たちの悩みの解決にもつながっていく。


 そして、最後の2章は・・・、あれ?えっ?と思いながら、最初のフェリーでこの物語を持っていた少女は・・・そう言うことか。と納得し、ラストは感動です。

 

 もし、この「空の彼方へ」が自分の手に渡ってきたら、どんなラストシーンを描くだろうか。そんなことも思い浮かべてしまう物語でした。

 やっぱり、北海道で渡されるのがいいな。 いつかまた、バイクで北海道をノンビリと走りたいなぁ~