今年15作品目(17冊目)の読了。
三浦さんの作品を読むのは初めてかな? 先日、この本が新聞の広告欄に載っていて面白そうだったので購入。
本のタイトルにあるように、元銀行マンの『政』こと有田国政、その幼なじみでつまみ簪(かんざし)職人の『源』こと堀源二郎の二人がメインではあるが、源二郎の弟子である吉岡徹平、その『徹平』の彼女である『マミ』、国政の妻で別居中(勝手に娘の所へ出て行った)の『清子』らが主な登場人物である。
6つの短編ぽくなっているが、話はすべて繋がっている。
序盤で政と源の2人合わせて146歳の老人?が、徹平に絡むチンピラを退治するってのは、ちょっと無理があるような気がするが、まぁそれはそれとして内容はサクサク読めて面白い。
ちょっとネタバレになりますが、政が徹平から仲人を頼まれたものの、別居中の妻「清子」からは冷たく断られ、その打開策として清子に毎日葉書を送り、最後は清子も仲人役を引き受ける。(この辺りはちょっと感動かも?)
最後は清子が政の元に返ってくるのかと思ったが、仲人役が終わっても、清子は家には戻ずにさっさと娘の家へ。清子は清子なりの信念を貫くってことか。
性格や考え方、そして生き様も全く違い、しょっちゅう喧嘩しながらも仲が良い「政」と「源」。
子どもの頃から74才になるまで続いている友達がいるというのは羨ましいものです。
ちょっと、政が語るというか、政が思っている記述が多いかな。源が思っている記述ももう少し欲しかった。それでも、源のインパクトが強いので読み終えた頃、タイトルは「源と政」だと思ってしまう?
ところで、初っぱな“簪(かんざし)”は知っているが「つまみ簪」ってどんなのだろうと思ったら、いわゆる、京都の舞妓はん(さん)が付けている花簪のことなのですね。布を小さくカットしたものを、折りたたんで竹製のピンセットでつまんで糊をつけ、土台につけていくから「つまみ簪」と呼ばれるようですね。(読み進めると概ね想像できたが、念のためググりました(^^; )
そうそう、政の妻「清子」が政を置いて家を出て行ってしまった理由・・・う~む、妻には優しくしないといけないな。要注意? (^^;